実家を出た話

実家を出た。3ヶ月半前に。


細かいことなんか書いてもしゃーないのでサクサク割愛するけど、私の父は、まあ少なくとも私と親子関係としての相性が良くない人間だった。簡単に言えば過干渉。言うことを聞かせる手段はとても堂々と言えないようなものだった。

大学は地元の国立一択にされ、学部は一番行きたくない学部を選ばされ、18歳にもなって泣き喚けば、その代わり一人暮らしはさせてやると言うので、大学に入ってから家を出たいと言えば「お前はみんな(父と弟と母)の暮らしを奪うのか」と叱られ(どういう理屈だ)、就活期は説明会を受けたところのパンフ、ハローワークでもらった求人票は全部チェックされ、父の御眼鏡にかなうモノ以外は全部破り捨てられた。父の気に召さなかった東京の企業を受けにいきたいと言うと、「売女になって死ね」とまで言われた(どういう理屈だ)。

父の決めた大学を出て、父の許しが出た就職先を選んで、入社まで1ヶ月半という時に、父と大喧嘩をした。1ヶ月ほど無視された。弟や母を相手に私の前で私の悪口を言ったりしているのを見たが、基本はいないものとして扱われた。私はメンタルが雑魚なので2週間くらい毎日部屋で泣いてた。Twitterでは荒れに荒れてた気がする。

普通にめちゃくちゃ死にたかったが、「2月に新卒が自殺とか迷惑が過ぎるだろ」「かと言ってこのまま就職したら仕事と家でメンタルホントにイカれんな」「というかなんで私が死んでやらんといかんのだ」という気持ちが沸いたので、実家を出る決意をした。一生家から出してもらえんと思ってたが、無視されてる今がいい機会だと思った。今ならあの男は意地張って何もしてこないだろうと考えた。

結果、2月中旬に喧嘩して、3月にフォロワーとルームシェアという形でアパートを契約した。あの頃はメンタルが荒れすぎてたので正直詳しい事はあまり憶えていない。失敗経験が多すぎて、正直な話「一生家を出られないんだろう」とか思ってたのに、案外あっさり出られたなと今でも思う。いや時間が短かっただけで全然あっさりではなかったけど。

家を出るだけで何をゴチャゴチャと自分でも思うし、実際結構理解してもらいにくいのだが、親の呪縛ってやつは、マトモな家庭で育った人間にはきっと分からない。別に分からないのは一向に構わないのだが、マトモな家庭に育った人間にこの感情を軽く見られると絶対にお前は殺してやるという気持ちになるから軽い気持ちで色々言うのはやめといたほうがいいんじゃないかなと思ったのを憶えている。「ちゃんと話し合えばいいじゃん」とか「いい歳して親の言うことなんか別に聞かなくていいじゃん」とかそういうの。人間として育てられた奴の親との関わり方なんか私は知らんので一緒にするな。あ、励ましとか応援とかはめっちゃ嬉しい。


話が散らかった。何の話をしようとしていたか忘れた。

私は今、実家にはたまに顔を出している。手土産を持って、あらゆる面でそれなりの距離感を保って、父と会話している。表面上のペラペラな付き合いでも、まあ一応あった方が最終的に私や親族にとって益になると思った。

私と父の距離感は完全に他人だ。父と呼ぶことすら違和感を感じる程だ。家を出て、父は他人としてある一面だけ見るようにすれば付き合えない人間ではないのだと感じた。私と父は、親子という関係は向いていなかったのだと改めて思った。

特に締めの言葉とか考えてなかった。というか話のオチを考えてなかった。終わり。家を出てよかった。めちゃくちゃ貧乏だけど。